皇族数の減少対策を巡る全政党·会派が
一堂に会しての意見交換が、衆参正副議長の呼び掛けで
これまで続けられて来た。それが“生煮え”のまま、一先ず打ち切られ、
正副議長ら4者による意見の取りまとめに移った。しかし、平行線を辿る自民党と立憲民主党が
何とか合意できるラインが見えないままでは、
「取りまとめ案」を仕上げることは困難だ。そこで、先ず自民党から妥協案が出て来た
(共同通信、4月24日配信)。内親王·女王の婚姻において、お相手が同じ国民でも、
旧宮家系子孫男性なら配偶者もお子さまも皇族とし、
それ以外なら国民と位置付ける、というプランだ。しかし、家柄·血筋=門地によって国民の中に
“線引き”する制度なので、「国民平等」の原則に反し、
明白に憲法違反。とても合意には繋がらないだろう。
しかも、未婚の女性皇族が旧宮家系子孫以外と
結婚された場合には、近代以来「家族は同じ身分」
とされて来た在り方を認めない、という仕組み。
なので、当事者の結婚意思への“権力的な介入”
という性格を持つ。言語道断だ。これに対して、立憲民主党から出された提案はどうか。
未婚の女性皇族が婚姻される際に、皇室会議によって
配偶者とお子さまの身分の在り方を決める、
というアイデアだ(毎日新聞、4月26日配信)。改めて言うまでもなく、皇室会議では皇族と
三権の代表者が一堂に会する。
卓越した権威を持つ国家機関だ。
皇室のご意思もある程度、反映しやすい。
そこでの決定なら大きな反対も現れにくいだろう。妙案と言える。
さすがに自民党の非人道的な妥協案とはレベルが違う。
さて、これに対して自民党はどのような反応を見せるか。
同党は以前、上皇陛下のご退位を可能にした
皇室典範特例法に向けた協議で、
決定のプロセスに皇室会議が関与する
立憲民主党の提案に難色を示しつつ、
最後には呑んだ(特例法附則第1条第2項)
という経緯があるのだが…。▼追記
4月30日発売の「女性自身」合併号にコメント掲載。【高森明勅公式サイト】
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